糖尿病と歯周病の関係

糖尿病の予防と療養についての正しい知識の普及啓発や療養支援などで、患者・
家族向けのシンポジウム「なくそう減らそう糖尿病」(日本糖尿病協会・毎日新
聞共催)が、4月8日東京千代田区の砂防会館で開催されました。同シンポのパネ
ラーとして参加の日本歯科医師会常務理事・江里口彰先生は歯科医師の立場から、
糖尿病と歯周病の関係について話されました。
 江里口先生は歯周病を、「糖尿病と同じく沈黙の病気」と訴え、「一見問題が
無いように見えるが、骨が溶けて、歯が失われる怖い病気」と説明。そして、歯
周病と糖尿病の関係では、「最近、歯周病が糖尿病に影響を及ぼす可能性が示唆
されている」「歯周病がインシュリンの働きを阻害して、糖尿病を悪化させる可
能性があると考えられている」と説明。
 また、糖尿病が歯周病に及ぼす影響については、「糖尿病に罹っている人は、
糖尿病でない人に比べて歯周病に罹りやすい。歯周病がより進行しやすい。」と
説明し、歯周病対策として、検査やブラッシングと専門家による定期的スケーリ
ングなどによるプラークコントロール、定期検診の大切さを強調されました。
 パネルディスカッションでは、歯科医師の取り組みについて、コーディネータ
ーから「歯周病と糖尿病の関係を知って驚いた。歯周病と診断された場合、どの
くらい糖尿病と疑われるのか。そうしたことを歯科医師のどのくらいが把握して
いるいか。」との質問があり、江里口先生は「47都道府県で実施する会員向けセ
ミナーの研修テーマに歯周病と糖尿病の関係を入れている」と返答されました。
同協会は糖尿病患者・家族と糖尿病に関わる医師・管理栄養士・栄養士・看護師
などで構成されています。