「早起き早寝」で快眠生活!

春眠暁を覚えず。でも、「実は一年中、朝起きるのがつらい」という人も多いのではないでしょうか。睡眠不足は生活習慣病の発症原因の一つ。今や日本人の5人に1人が睡眠の悩みを抱えているそうです。かくいう私も他人事ではありません。
 小学生から高校生の七割以上が睡眠不足を自覚しているという報告もありますから、もっと真剣に睡眠の質と量を確保することに注意を払うべきでしょう。

  夜型の生活はできるだけ改善したいもの。人間の身体は太陽光に反応するようにできていて、毎朝、体内時計がリセットされないと、先に挙げた生活習慣病をはじめ、さまざまな問題が起こってくるのです。

  最近、睡眠の研究が進んできたので、その報告を交えて、一般的な対処法をご紹介します。ひとくちに「眠れない」といっても、人によって状況はさまざま。ここでは「寝付きが悪い=入眠障害」についてお話しします。

  まず、睡眠時間は必ず8時間必要だという焦りを持たないことが大切です。8時間以上眠る人の方が長寿だというアメリカの研究報告も確かにありますが、眠りの問題はプライベートな差がとても大きいのが実情です。「早寝早起き」にこだわらないこともポイントです。最近の研究で、いつも眠っている時間の2~4時間前が最も寝付きにくい時間だということがわかってきました。

  寝付く時間を早めるのに一番効果的なのは、「早起き」から始めること。太陽の光を浴びて15~16時間後に眠気が出てくるという報告が裏付けです。晴天なら室内の照明の10倍程度、曇りの日でも数倍程度の明るさがありますから、毎朝、同じ時間に起床して、なるべく早く外に出て日光を浴びましょう。

  朝食を毎朝同じ時間にとることも、体内時計をリセットする近道です。人間の身体はよくできていて、朝食の1時間くらい前から消化器の運動が活発になるので、そこでしっかり朝食をとれば、脳への栄養補給がスムーズに行われ、体温を高めて活動レベルを高める上に、消化器の運動が活発になると目覚めやすくなるという一石二鳥の効果があるのです。

  それでも眠れない場合は、過緊張性・ストレス・精神外傷性の不眠や精神的な原因から来る不眠の場合もあります。そういう時は、無理をしないで専門医に相談しましょう。

コラムニスト 鈴木 百合子